結納
結納品セットを利用する手も!結納品の基本と準備
2013/08/20 Tue
結納品とは
結納品とは本来、「結いのもの」、つまり両家が婚姻関係を結ぶときの祝宴のごちそう(酒肴)を指していました。宴席に使われる縁起物のするめ、こんぶ、かつおぶしなどが含まれているのはそのためです。これらのごちそうに、新婦の衣装やお金などが加えられるようになり、現在では全部まとめて結納と呼ばれるようになったといわれています。
縁起物としての結納品と意味
今では形式として用意する品物が多くなっている結納品ですが、それぞれの品には円満・長寿・子宝など、繁栄を象徴する縁起物としての意味が込められています。結納の品々に込められた願いや意味を知っておくことで、結納がより深く、意義のあるものになるでしょう。結納品には地域によって違いがありますが、共通してよく見られる代表的なものを紹介します。
●熨斗(のし)
「のしあわび」ともいい、元々はアワビを叩いて薄く伸ばしたものでした。 昔からアワビは海産物のなかでも貴重な食材とされ、贈り物として最高級品でもありました。また不老長寿を象徴し、現代では贈り物に対する祝意も込められています。
●寿恵廣(すえひろ)
一対になった純白の扇子です。純白は純潔・潔白・純真無垢を示し、扇を広げた形が末広がりであることから繁栄を象徴します。一家が末永く栄えるようにとの願いが込められています。
●御帯料(おんおびりょう)/小袖料(こそでりょう)
結納金を包んだものです。関東では御帯料、関西では小袖料と呼び、地域によっては宝金ともいわれます。昔は着物の反物や帯地を贈っていたため、このように呼ばれています。
一方、結納返しに包むお金、または女性側が養子をもらう際の結納金は「御袴料(おはかまりょう)」といいます。こちらも、昔はお返しとして袴を贈っていたことによります。
●家内喜多留(やなぎだる)
酒料として、現金を包みます。昔は実際に樽酒を贈っていたので、このように呼びます。九州地方では清酒の現物を贈る場合もあります。
●松魚料(しょうぎょりょう)
肴料の意味で、お食事代として現金を包みます。昔は実際に魚を贈っていたので、このように呼びます。関東式では代わりに勝男節を、九州では生鯛など現物の魚を送る場合もあります。
●酒肴料(しゅこうりょう)
酒料と肴料のことです。酒料と肴料を合わせて酒肴料として1枚で包む場合もあります。
酒料は"樽酒"の代わりに贈る現金、肴料は"肴"の代わりに贈る現金で、地域によって呼び名が変わります。
●結美和(ゆびわ)
婚約指輪のことです。おめでたい字を当てています。関西式では結納品のひとつに含まれます。
●友白髪(ともしらが)
白くした麻の束です。ともに白髪になるまでという長寿の願いと、麻のように強い絆で結ばれるようにという意味で、夫婦円満の願いが込められています。
●高砂(たかさご)
尉(じょう)と姥(うば)の人形です。ともに白髪になるまで夫婦仲良くという願いが込められています。結納の掛軸にもこの図柄が最適です。
●寿留女(するめ)
スルメイカの干物です。日持ちがすることから、幾久しく幸せな家庭を築くようにとの願いと、噛めば噛むほど味が出ることから、味のある仲のいい夫婦になって欲しいという気持ちを込めて贈られます。
●子生婦(こんぶ)
こんぶのことです。こんぶは非常に繁殖力が旺盛であることと、「喜ぶ」にかかる縁起物です。子宝に恵まれ、元気な子どもを授かるようにという気持ちの表れとして、子宝繁栄を願って贈られます。奇数枚を包みます。
●勝男節/勝男武士(かつおぶし)
鰹節のことです。古くは武家の保存食や非常食として常備されていたもので、出陣の折には武運を祈って贈られた縁起物です。たくましい男性の象徴として、主に関東・東北などで使用されます。
●角樽(つのだる)
お酒を入れる樽のことです。地方によっては、これを家内喜多留と呼ぶこともあります。
●目録(もくろく)
結納品の内容明細を書いたものです。地域によっては品数に数えないところがあります。用紙のたたみ方や、包み方が異なる場合もあります。
結納専門店の「結納品セット」でらくらく準備
結納専門店では、すべての結納品と祝儀台、敷き紙、祝儀袋、目録などがセットになった「結納品セット」が用意されています。品数も正式な9品だけでなく、7品、5品などいくつか用意されていたり、祝儀台が白木台や黒塗台のものがあったりとさまざまです。目録や家族書の代筆をおこなってくれる結納専門店もあります。
関東式、関西式、九州式など地域による基本的な結納品をそろえたものもあるので、やりたい結納のスタイルに合わせて利用しましょう。
最近では、結納金や婚約指輪のみを贈る、1品だけの結納セットや、祝儀台の飾りなどを洋風にアレンジしたり、季節感を取り入れたりするものなども。
レストランでカジュアルに結納をおこなう場合など、雰囲気に合わせて洋風のものを選んでもいいかもしれませんね。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

小谷 真結美
某国立大学で素粒子物理学を専攻したのに、なぜか編集者として語学・異文化系出版社に入社。
その後、化粧品メーカーでのWebライターを経験し、現在はフリーランスの編集・校正・ライター。
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