結婚・結婚準備

やっぱり和装が好き!-花嫁の着物の基礎知識-

0View

はじめに

昨今その美しさを見直され、人気を集めている和装婚。日本人として生まれ、日本ならではの伝統衣装で門出の日を迎えたい、というのはごく自然なこと。でも、現代に生きる花嫁にとって和装ならではの耳慣れないことばや作法もたくさんあり、「和装婚って大変なのでは?」という不安を持つのもまた現実。そんな花嫁の不安や疑問を解消するための着物の基礎知識から、最新和装ラインナップやアイデアまで一挙紹介します!

花嫁の着物の基礎知識

日本の民族衣装である着物。結婚式にまつわる着物にも、ドレスと同じようにさまざまな種類があり、自分の希望や会場の雰囲気などに合ったものを選びたいもの。着物には古来から伝わる柄の意味や季節感、道理にかなったいわれなどが言い伝えられています。それらを知っていると和装への興味も深まり、衣装選びが楽しくなるはず。ひとつひとつの花嫁衣装に隠された日本女性の奥ゆかしさを感じ取りながら、和の装いに身を包んでみては?

花嫁衣装の種類

着物には格があり、しきたりに沿った装いをします。未婚の第一礼装それぞれで着るべきときや場所も変わってくるので、知っておくと花嫁度もぐぐっとアップ!
p01_01◆白無垢
武家社会の流れを汲む婚礼のための正礼装。打掛から掛下(打掛の下に着る着物)、帯や小物に至るまで白で揃えたもの。汚れのない白は花嫁の無垢な純真さを表し「嫁ぎ先の色に染まる」という意味がある。角隠しか綿帽子をつけて神前挙式に着るのが一般的。


p01_02◆色打掛
白以外の打掛のこと。掛下のうえに色鮮やかなものを羽織ります。白無垢と同格の正礼装なので角隠しをつけて挙式で着用することもOKですが、挙式は白無垢で臨み、パーティや披露宴で色打掛に羽織ることが多いよう。最近はオーガンジー素材など種類も急増!

白無垢&打掛コレクションを見る


p01_03◆振袖(本振袖)/引き振袖(お引きずり)
振袖は未婚の女性の第一礼装。翌日からミセスになる花嫁にとっては、振袖を着るのは結婚式が最後のチャンスとなります。また、裾を引きずるように着たものが引き振袖。お色直しで着ても素敵ですが、角隠しをつけて挙式、洋髪にチェンジして披露宴やパーティというのも人気です。
引き振袖コレクションを見る
 黒引き振袖コレクションを見る

◆十二単衣
平安時代以来の貴族の正装。単(ひとえ)と袴の上に、桂(うちぎ)を重ねて着たことが由来でこの名称に。男性は衣冠束帯を着用します。日本人の繊細な感性を表現した襲色目(かさねのいろめ)の美しさはゲストの目も楽しませてくれるでしょう。

写真協力/ワタベウェディング

着物の吉祥文様

古来から自然を愛でる日本人の感性は、着物の中にも自然を表現し、その美を慈しんできました。桜の柄の着物は春に、紅葉の柄は秋に......といった柄に合った季節感も大切にしたいもの。また、結婚式の着物には吉祥文様というおめでたい柄がよく使われています。それらのいわれを聞きながら選べば、より楽しい思い出が残せることでしょう。ここではその一部を紹介します。


p01_04◆鶴
「鶴は千年、亀は万年」といわれるとおり長生きの象徴ともいえる瑞鳥。生涯つがいで生活することから、夫婦睦まじい老境の象徴でもあります。

写真:「鶴赤地五ツ紋本金飛翔鶴」


p01_06◆貝桶
江戸時代に流行した「貝合わせ」という遊びの道具。ばらばらにした蛤の貝殻の中から一対の貝を当てる、ということと運命の相手に巡りあえた花嫁をなぞらえて。
写真:「貝桶花筏に露芝」


p01_08◆鳳凰
中国の伝説上の生き物で、平安な治世や優れた知性を持つ人が生まれると姿を現す五色の霊鳥。飛鳥時代から用いられている華麗で格調の高い文様。

写真:「鳳凰金銀鳳凰更紗紋」


p01_05◆松竹梅
四季を通じて緑濃ゆく美しい松と、青々とまっすぐ伸びる竹、寒さの中からいち早く花を咲かせる梅の三つを組み合わせた慶事の象徴。
写真:「松竹梅琳波鶴」


p01_07◆檜扇
平安時代の姫が身につけた檜の薄板で作られた扇。その雅な美的センスもさることながら、先端が広がった形から将来の展望が広いことも表す。

写真:「檜扇ふじ」


p01_09◆丸文
円の形は無限を表す縁起の良い文様。「円=縁」につながることからも花嫁衣装によく用いられます。花や鏡などと合わせてより華やかにしたものも。

写真:「丸文花の丸に折鶴」 写真協力/ワタベウェディング

和装小物あれこれ

和装の際には、ドレスと同じように専用の小物がたくさんあります。現在装飾的に使われていますが、そのほとんどが江戸時代には実用品だったもの。その意味を知っていれば、それを装って嫁ぐ日の特別感も格別。ここでは代表的な和装小物を紹介します。p01_10
<1> 末広(すえひろ)花嫁の持つ扇子。「末広がりでしあわせになれるように」との意味で末広、と呼ばれます。白無垢のときには白いものを、色打掛のときは打掛とコーディネートして。
<2> 懐剣(かいけん)胸元にさす短剣のこと。武家の姫が護身用として所持していたものなので、庶民の結婚衣装である振袖には必要ありません。
<3> はこせこ今でいう化粧ポーチ。鏡や懐紙などを入れて胸元にはさみます。懐剣を差しているときは紙入れをはさみます。
<4> かかえ帯帯の下の位置に巻く細帯のこと。本来は外出時に着物の長い裾を抱え、着物に固定するためにあったそう。
写真協力/プリンセスガーデン・カワサキ

どれを選ぶ? 着物選びのポイントはここ

着物はすべて基本的に形は同じ。ということは、デザインではなく色と柄で選ぶもの。そこで、ウエディングドレスを選ぶときとは違った、花嫁の着物を選ぶときのポイントを知っておくことが大切!

◆ポイント1  会場
神前式の挙式では白無垢がもっとも正統な装い。披露宴やパーティ会場で特に注意すべきは「床・壁・ライティング」の3点。ショップのすすめられるがままに赤い振袖を選んだら、会場が真っ赤な絨毯でまったく映えなかった......ということにならないように、試着の際には会場の写真などを持参しましょう。また、純和風な会場なら日本髪、モダンな雰囲気の会場であれば洋髪にしたりとメリハリをつけて。

◆ポイント2  色・柄
色も柄もさまざまなものが揃う今だから、選択肢は思っているよりたくさん! 自分の顔移りや希望するイメージなどで選ぶのはもちろんですが、柄の見え方、というのも重要なポイント。着物の柄は小柄な人には細かい柄、大柄な人には大ぶりの柄が似合うと言われますが、どこにどの柄が見えるか、合わせる帯の色柄、帯を締める位置・型などによっても同じ一着でずいぶん印象が変わってくるので、まずは試着してみるといいでしょう。結婚式の季節に合った柄を選ぶことも忘れずに。

◆ポイント3  体型
着物は体型に関係なく着られるのもうれしいところ。極端に背が高い場合でなければおはしょりによって着丈を調節できるし、ぽっちゃりさんでも前の合わせ方で調節が可能。おめでた婚の場合でも、体型を気にせずいられます。ただし、オーガンジー素材など軽めのものを選びましょう。

自分で準備しなければならないもの

着物を着たことがない、という花嫁でもまるっきりショップにおまかせでは困り者。最低限自分で用意しておくべきは、肌に直接触れるこのふたつ。

◆肌襦袢(はだじゅばん)
着物から汗や汚れを防ぐため、肌の上に直接つける肌着のことです。花嫁衣装専用のものを選ぶと襟ぐりの空きにしっくりきます。肌襦袢は着物と同じように左側が上になるように重ねます。肌襦袢が別に裾よけも必要になりますが、最近ではワンピース型もあるのでショップや呉服店に尋ねてみましょう。

◆足袋(たび)
花嫁衣装は礼装なので足袋も清浄を表す白が正式。靴と同じでセンチ単位で選ぶことができます。かかと部分の止め金具は「こはぜ」といわれ、5枚のものがフォーマルとされています。足袋はしわが寄らず、ぴったりと足に合ったジャストサイズのものを選ぶと美しく見えます。

>>次のページでは憧れの和装婚をワンランクアップさせるアイデアを紹介!

記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

閉じる