結納
正式結納とは
2013/08/20 Tue
正式結納とは
今では結納自体をおこなわず、両家の顔合わせのみをおこなうカップルが約7割というデータもあります。きちんとした結納をおこなう場合でも、女性側の家または、ホテルや結婚式場などに両家が一同に会しておこなうスタイルを選ぶ方が大半で、結納といえば、このようなスタイルを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、これは「略式結納」と呼ばれるスタイルで、古式ゆかしいスタイルである「正式結納」とは異なります。
結納の起源となったのは、今でも皇室でとりおこなわれている「納采の儀」で、古く仁徳天皇の時代に始まったとされています。結納とは本来、仲人がそれぞれの家を訪ねて結納品を届けるものでした。
まずは仲人が男性側から結納品を預かり、女性側へ届けます。女性側は仲人を迎えてもてなし、男性側へ渡す受書(結納品を確かに受け取ったという領収書の役割)と結納品を仲人へ託します。
このように仲人が両家の仲立ちをするスタイルを「正式結納」と呼んでいます。
往復、1往復半、片道などさまざま
結納の方式には地域や家庭によってやり方に違いがありますが、大きくは関東式と関西式のふたつに分けられます。正式結納の方法にもやはりいくつかのパターンがあります。
最も伝統的な結納は、男性側と女性側の家を1往復半する形。男性側から結納品を預かった仲人が女性側へそれを届け、受け取った女性側から男性側への結納と受書を預かり、再び男性側へとおもむきます。そして男性側から受け取った受書を、再び女性側の家に届けます。
このほかに、最後の女性側の家への訪問を省略した「1往復型」や、男性側の家から女性側の家を訪れるだけの「片道型」もあります。関東は「1往復半」、関西は「1往復または片道型」が多いといわれます。
正式結納の結納品
正式な結納の品は、関東式では9品目、関西式では5~9品目が正式です。関東式の結納品9品目は、以下の通りです。
- 目録(もくろく)
- 金包(きんぽう):結納金
- 長熨斗(ながのし)
- 友白髪(ともしらが)
- 末広(すえひろ)
- 寿留女(するめ)
- 子生婦(こんぶ)
- 勝男武士(かつおぶし)
- 家内喜多留(やなぎだる)
これらを、白木台1台にまとめて乗せます。一方、関西式では1台につき1品ずつを乗せるのが正式とされています。関西式の結納品9品目は、以下の通りです。
- 金包(きんぽう):結納金
- 長熨斗(ながのし)
- 末広(すえひろ)
- 家内喜多留(やなぎだる)
- 松魚料(まつうおりょう)
- 寿留女(するめ)
- 子生婦(こんぶ)
- 高砂(たかさご)
- 結美和(ゆびわ)
7品目にする場合は「高砂(たかさご)」と「結美和(ゆびわ)」を、5品目にする場合はさらに「寿留女(するめ)」と「子生婦(こんぶ)」を省きます。また、関西式では目録を1品としては数えません。
ただし、関東式と関西式、また地域によって結納の品も準備の仕方も異なります。関東式であっても、台を分けて乗せる場合もあります。何を用意するかは、両家の間でよく相談しておこなうほうが良いでしょう。結納専門店などでは、すべての品目と白木台や飾りなどをひとつにまとめた「結納品セット」が用意されています。
記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。
小谷 真結美
某国立大学で素粒子物理学を専攻したのに、なぜか編集者として語学・異文化系出版社に入社。
その後、化粧品メーカーでのWebライターを経験し、現在はフリーランスの編集・校正・ライター。
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