結納

本番で失敗しないように!知っておきたい結納の口上

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知っておきたい結納の口上

結納を行うにあたって、最近では仲人なしの略式結納を選ぶカップルがほとんどとはいえ、結納当日の儀式は、古式ゆかしい形式にのっとった流れで進めるのが一般的。なかでも特徴的なのが口上。普段ほとんど使わない言い回しが出てくるので、ぶっつけ本番では少し不安。だから事前に、結納の流れと共に口上についても把握しておけば、当日はスムーズに運んで、ご両親にも好印象♪

まずは知っておきたい結納の一日の流れ

口上がどんなものなのかを具体的に知る前に、結納の儀式がどのように行われるのかをチェック。流れがわかると、口上もすんなり入ってくると思います。結納の流れは、いわば台本。口上はセリフです。俳優になったつもりで頭に入れてみて!

<女性の家で行う場合>

男性側が女性宅に到着。女性側は全員揃って玄関で出迎え。男性側から手土産を渡す

女性側が結納を行う部屋(床の間のある部屋など)へ案内。男性の父は、部屋の入り口で一礼し「本日は床の間をお借りいたします」と述べ、入室。男性の母、男性、と続く

男性側が、準備してきた結納品の飾り付けを行う。女性側は別室で待機
※仏壇がある場合は先にお参りを。また、女性側は「何かお手伝いすることがあればお声がけください」とのひと言があると◎

飾り付けが終わったら男性側が女性側を呼び、着席

男性の父親、はじまりの挨拶を述べる(1)

男性母が女性の前に結納品を差し出す。さらに女性の前に目録を運び、軽く一礼して席に戻る。着席したら、男性の父が口上を述べる(2)

女性は目録の中身を取り出して、結納品と照らし合わせて確認。目を通したら、女性→女性の父→女性の母の順で目録を回覧する。女性、または女性の父がお礼の口上を述べる(3)

女性側一同礼

女性母が結納品を上座に飾る。代わりに受書を男性の前に運ぶ。女性母は軽く一礼して席に戻る。着席したら、女性、または女性の父が口上を述べる(4)

男性が受書の中身を取り出して、確認する。目を通したら、男性父→男性母と回覧する

婚約記念品があれば、この場で両家に紹介する。
※ここで、女性側から結納返しを贈ることもあります。その場合は、男性が行ったのと同じように結納品・目録を贈り、受書を受け取ります。口上も同じように述べればOK。

男性の父親がお開きのあいさつを述べる(5)

ホテルや料亭など会場で行う場合>

ホテルや料亭、レストランなどで結納を行う場合は、結納プランを利用するのが負担も少なく魅力的。当日は、準備なども会場スタッフがサポートしてくれるので、基本的にはその指示に従って進めればOKです。会場によっては当日のシナリオ、口上もあらかじめ用意してくれるので、事前に目を通し、音読しておけば心配なし。
女性の家で行う場合との流れの大きな違いは、はじまり部分だけ。女性宅では、女性側が男性側を待ち受けますが、会場で行う場合は、待ち合わせとなります。それでも、女性側が先に着席し、男性側が遅れて入場するのが一般的なので、女性側は余裕を持って会場入りしましょう。
流れをみるとわかりますが、基本的に、全体的な進行は男性の父親が進めることになります。また、挨拶と口上は父親が、結納品や目録のやりとりは母親が行います。父親、母親がいない場合は、本人や親代わりの親戚、兄姉などでも大丈夫。ただし、その場合は当日いきなり紹介するよりも、事前に相手側に伝えておくとスムーズです。

音読しておいて損はない!結納の口上

音読しておいて損はない!結納の口上

さあ、ここからが本題。結納の口上の例を紹介します。男性の父親が述べることが多いので、必ず音読してもらいましょう。普段使わない言い回しが多く、当日は緊張も重なって、噛んでしまったり、戸惑ってしまったりすることも考えられるので、一度スムーズに読めるようになっておけば、緊張しても、心配なし!

(1)結納の口上~はじまりの挨拶~

男性父「この度は、○○様(女性の名前)と息子○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして感謝申し上げます。これより結納の儀を執り行わせていただきます」

より丁寧に述べたい場合は・・・

男性父「この度は、○○様(女性の名前)と、私共の○○(男性の名前)に大変結構なご縁を頂戴しまして、誠にありがとうございます。本日はお日柄もよろしく、婚約の儀を執り行わせていただきます。本来ならば仲人様を通して正式にお納めすべきところ、前もってのお話どおり、略式にて納めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます」

(2)結納の口上~結納品の受け渡し~

男性父「こちらが婚約の印として持参いたしました結納の品でございます。幾久しくお納めください」
「○○(男性の名前)よりの結納の品でございます。幾久しくお納めください」

(3)結納の口上~お礼の口上~

女性父「結構なお品をありがとうございます。幾久しくお受けいたします」

(4)結納の口上~受書を渡す~

女性父「こちらが受書になります。どうぞお納めください」

(5)結納の口上~お開きの挨拶~

男性父「本日は誠にありがとうございました。おかげさまで無事に結納の品を納めることができました。これからも幾久しくよろしくお願い申し上げます」
「本日は誠にありがとうございました。結納式は滞りなくあいすみました。今後とも幾久しくよろしくお願い申し上げます」
「おかげさまで略式ではございますが、無事に結納を納めることができました。今後とも末永くよろしくお願い申し上げます」

女性父「こちらこそ誠にありがとうございました。幾久しくよろしくお願い申し上げます」
「こちらこそ、大変お世話になりまして、誠にありがとうございました。今後とも末永くよろしくお願い申し上げます」

以上が口上の一例です。
お開きの挨拶のあとは、全員で「本日はありがとうございました」と一礼してもいいですね。一言一句この通りでなければならない、というものではないので、両家で相談しながら、それぞれに失礼のないようアレンジするといいでしょう。シナリオと口上が整ったらそれを両家で共有し、お互いに目を通しておきましょう。

結納の口上、こんな場合はどうすればいい?

結納の口上、こんな場合はどうすればいい?

<授かり婚の場合>

赤ちゃんができてからの結婚の場合、順番が逆になってしまった分、お互いにこれ以上の失礼がないようにするために、結納を交わすのもひとつの方法。その場合には口上に「けじめをきちんとつけますよ」という意味を含ませるといいでしょう。

男性父「この度は、○○様(女性の名前)と息子○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして感謝申し上げます。本日はお日柄もよろしく、形ばかりではございますが、けじめでもありますので、これより結納の儀を執り行わせていただきます」
「この度は、○○様(女性の名前)と息子○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして、誠にありがとうございます。形ばかりではございますが、婚約の印として結納の品を持参いたしました。けじめでもありますので、幾久しくお納めください」

<結納は不要と言われているけれど、けじめとして結納品を納めたい場合>

女性側が「結納は不要です」と言っていても、縁あってのこと、けじめとして食事会の席で結納金(または婚約記念品)を受け取ってほしい、というパターンもあるでしょう。
その場合は、女性側に了承してもらった上で、食事会の冒頭、乾杯の前に、以下のような口上を述べて結納金(または婚約記念品)を渡しましょう。この際、特に両家で必要がないと思えば、目録や受書などは準備をしなくてもOKです。

男性父「この度は、○○様(女性の名前)と息子○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして、誠にありがとうございます。本日は、お言葉に甘えてきちんとした形の結納の儀ではありませんが、ほんの印ばかりの品を用意しておりますので、どうぞ幾久しくお納めください」
「この度は、○○様(女性の名前)と息子○○(男性の名前)との縁談をご承諾くださいまして、誠にありがとうございます。結納の儀に関しまして、お心遣いのお言葉をいただいておりましたが、私どものせめてもの気持ちでございます。簡単ではございますが、こちらの品をどうぞお受取くださいませ」

知らなかったでは済まされないかも!結納のこんなならわし

知らなかったでは済まされないかも!結納のこんなならわし

・両家とも座布団は使わない

座布団の上に座るということは、一段上から相手を見るということになります。両家が、同等の立場で腹を割って相対するという意味から、結納の儀式の間は、座布団はなし、というのがならわしです。

・口上以外の会話はなし

結納の儀式の最中は、決まった口上以外は言葉を交わさないのが本来のならわし。15〜20分と短い時間のことなので、おしゃべりさんも我慢を

・結納の儀式が終わるまではお茶は出さない

結納の儀式が滞りなく終わってから、「それでは酒肴の準備を・・・」と、女性側が支度をはじめるのが一般的な流れ。座布団を出して、全員で会食やお茶を楽しみましょう。ホテルや料亭、レストランなどの会場で行う場合は会場スタッフが誘導してくれるので、それに従って。

・口上は暗記が必要???

できれば暗記をしておいたほうがいいですが、できなくてもOK。シナリオやメモを手元において見ながらでもまったくかまいません。

・本人たちの口上がない??

結納の場合、口上は父親同士が交わすのが一般的。なので、本人たちからの挨拶を入れたい場合は、結納の儀式が終わってからの、お茶や食事をはじめるタイミングがいいでしょう。

おめでたい席には御法度!忌み言葉って何?

おめでたい席には御法度!忌み言葉って何?

結納を行う場合、その日が両家の両親の初顔合わせ、となる場合も少なくありません。だからこそ緊張もすると思いますし、「失敗したくない」と気負ってしまう部分もあるかもしれません。
これまで別々に生活してきた両家が会っていきなり、心置きなく過ごせる間柄になるわけではないので、過度のプレッシャーを感じることはありません。
基本的には、お互いに失礼がなく、嫌な気持ちになることがないように過ごせれば合格点。そのためにも知っておきたいのが"忌み言葉"。おめでたい席にはタブーとされることばのことで、忌み言葉を避けるのはマナーのひとつといっても過言ではありません。最近の若い世代では気にしなくなってきてはいるものの、両親世代、また祖父母世代にはまだまだ気にする人も多いのが現状。
知らずに使ってしまうと「常識がないのかしら?」と思われてしまうかもしれないので、要注意。特に結婚式となると、年配の方が多く集まるので、結納のこのタイミングから気にかけるようにしておくと安心ですね。以下の例を覚えておくといいでしょう。

忌み言葉の一例

<別離を連想させる言葉>
別れる、切る、切れる、離れる、離婚、離縁、帰る、帰す、終わる、終える、破れる、破る、割る、割れる、去る、飽きる、捨てる、冷える、冷める、壊れる、壊す、消える、消す、降りる、枯れる、嫌う、嫌い、薄い、疎遠、疎んじる、憂い、おしまい、返す、ほどける、裂ける、放す
※「お開き」という言葉が使われるのはこのためです。

<再婚を連想させる言葉>
戻る、戻す、繰り返す、繰り返し、再び、再度、再婚、再三、二度、二回、二度あることは三度ある、なおまた、ではまた

<不幸、不吉、死を連想させる言葉>
別れる、切る、切れる、離れる、離婚、離縁、終わる、終える、破れる、破る、割る、割れる、去る、痛い、痛み、飽きる、捨てる、負ける、病む、病気、冷える、冷める、倒れる、倒産、忙しい、忘れる、流れる、流す、壊れる、壊す、消える、消す、降りる、滅ぶ、滅びる、枯れる、死ぬ、亡くなる、四、4、九、9、焦る、敗れる、憂い、散る、悲しむ、無し、無くす、おしまい、苦しい、ほどける、とんだこと、とんでもない、ご生存中、生きている頃、しめやかに、仏、葬式、褪せる、衰える、更に、さらに、僧、短い、逝く、涙、梨、猿、忌み、悪い、相次いで、相次ぎ

<同じことを繰り返す(再婚を連想させる)重ね言葉>
度々、くれぐれも、皆々様、かえすがえす、重々、いろいろ、またまた、なおまた、しばしば、次々、わざわざ、再三再四、たまたま、重ね重ね、いよいよ、再々
※益々、どんどん、だんだん、みるみる、いよいよ、日々、ときどき、などの縁起の悪い意味が薄い重ね言葉は、それほど気にする必要がないようです

<その他避けるべき言い回し>
やばい、ぶっちゃけ、キモい、ウザい、チクるなどの話し言葉
頼りない、頑固など、短所を強調する表現
下ネタ関連用語
など

たくさんあって悩んでしまうかもしれませんが、要はふたりの結婚にマイナスのイメージを与える言葉を避ければいいだけ。できるだけ前向きで楽しい会話がはずむよう、心をくだきましょう!

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