出産・育児

あなたは大丈夫?身近に潜むマタハラ

0View

身近に潜むマタハラ

マタニティ・ハラスメントの実態

最近よく聞かれるようになった「マタハラ(マタニティ・ハラスメント)」という言葉。

つい先ごろも、マタハラの被害を受けた女性が勤務先を相手に訴訟を起こした裁判が、最高裁で審議されるというニュースがありました。

日本労働組合総連合会(http://www.jtuc-rengo.or.jp/)によるとマタハラとは「働く女性が妊娠・出産を理由とした解雇・雇止めをされることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的・肉体的なハラスメント」と定義されており、働く女性を悩ませる『セクハラ』『パワハラ』に並ぶ3大ハラスメントの1つとされています。

また、こちらの団体が2013年に発表している「マタニティ・ハラスメントに関する意識調査」(※)によると4人に1人の女性がマタハラの被害を受けたと報告されています。
今や深刻な社会問題として広がりを見せている「マタハラ」、その実態に迫ってみましょう。

(※)http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20130522.pdf

調査結果から見るマタハラの実態

上の項で紹介した調査によると、具体的なマタハラの内容は「妊娠中や産休明けなどに、心無い言葉を言われた」「妊娠・出産がきっかけで、解雇や契約打切り、自主退職への誘導等をされた」というものが多いようです。「女性の活躍」「ウーマノミクス」という言葉が叫ばれているにも関わらず、この結果は悲しい現実ですね。

特に、妊娠・出産をきっかけに仕事を続けられなくなったという問題は、働く女性の58%が非正規雇用である(※)ということとも深い関係があると言えそうです。例えば、派遣社員であっても雇用期間などの条件を満たしていれば産休・育休の取得は法的に認められているのですが、「雇用主の意思により契約期間満了・更新せず」という対処を取られることが多いようです。

(※)参考リンク 平成25年度版(2013年度版)の「国民生活基礎調査の概況」「性・年齢階級別にみた15 歳以上の役員以外の雇用者 の構成割合」調べより
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa11/dl/12.pdf

マタハラにあった、その時どうする?

さらにこの調査では、「あなたが『マタハラ』を受けた際、どのような対応をされましたか?」の問いに、半数近くの女性が「我慢した・人には相談しなかった」と回答しています。

この回答の背景には、「反論してしまったら職場にいづらくなるのではないか」「不利な待遇に遭うのではないか」という危惧があるのではないでしょうか。長く働きたい職場と思うからこそ、コトを荒立てたくないと我慢してしまうのかもしれませんが、泣き寝入りするのは、自分にとってはもちろんのこと、そしてこれから妊娠する予定の人にとっても好ましいこととは言えません。少しずつでも声をあげていってほしいと思います。

会社に相談するのが難しい場合は、労働相談フリーダイヤル(0120-154-052)に電話してみましょう。各自治体の連合に電話が繋がります。

また最近ではマタハラ被害に遭った女性たちが立ち上げた「マタハラ.NET(正式名称:マタニティハラスメント対策ネットワーク http://www.mataharanet.org)」というコミュニティで情報提供も行われています。

まとめ

直接マタハラとは呼べないかもしれませんが、身近な妊婦さんから聞かされた個人的にショッキングだったエピソードをご紹介します。

それは、通勤など妊娠中でも満員電車に乗らないといけない機会が少なくないのですが、「途中で気分が悪くなってしまったが、体調が悪いのに座席を譲ってもらえなかった」ということ。そればかりか、故意に蹴られたりぶつかられるなどの経験をされる方もいるようです。

このような出来事は、母体と赤ちゃんへの影響も心配ですし、精神的に深く傷つくこともあるでしょう。悲しいことですが、事実起こってしまっていることなので、できるかぎりの対策はしておきたいもの。たとえば、会社と交渉して通勤時間をずらし、電車のピークタイムを外すことができれば理想的です。職場の上司や先輩ママ、ワーキングマザーの友人に相談したりアドバイスをもらって、快適に過ごせる方法を検討してみましょう。

マタハラはまだまだ課題が多く解決への道のりが長い問題ですが、妊婦さんやママ、赤ちゃん、それだけでなく全ての人が優しい気遣いあえる世の中にしていきたいですね。

記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

閉じる