出産・育児
最近話題の「妊活」。なぜ、今注目されているの?
2014/11/28 Fri
メディアで「妊活」という言葉を見かけるようになって早数年。芸能人だけでなく一般の方でも、ブログやSNSで、妊活を公表する人も出てきています。一体なぜ今、妊活という言葉が一般的になり、話題に挙げられるようになったのか?その背景を考えてみました。
6組に1組のカップルが不妊治療経験アリ?現代日本の子作り事情
「妊活」という言葉が一般的となった理由のひとつは、不妊に悩む人が増えたことが挙げられるでしょう。今日の日本では、6組に1組のカップルがなんらかの不妊治療を受けた経験があると言われています。
多くの女性が20歳代で結婚・出産をしていた1980年頃までは、不妊治療というと「生殖機能にトラブルのある人のもの」が主でしたが、子供がなかなか授からないという悩みは、今やごく一般的なものとなりました。また、俗に「二人目不妊」と呼ばれる、子供がひとりいても二人目の子供がなかなかできないという夫婦も増えているようです。次章では、なぜ不妊に悩む人が増えたのかについて解説していきます。
晩婚・晩産の背景に見える社会問題~晩婚・晩産・女性の社会進出~
不妊に悩む人が増えた背景には「晩婚化と高齢出産の増加(注1)」があります。初婚平均年齢は、夫が30.7歳で妻が29.0歳。出産に関しては、初産の平均が30.1歳、35歳以上の高齢出産の割合が全国的に見て約4人に1人、最も多い東京都では3人に1人となっています。
40代でも何の問題もなく出産できる人もたくさんいますが、諸説ありますが30代なかばを境に妊娠する力が少しずつ下がり始めると言われ、男性も年齢があがるにつれ生殖機能は低下していきます。
出産する年齢が上がった要因としては、女性の仕事に対する意識の変化のほか、配偶者の収入などの経済的な心配や保育所の待機児童問題など、様々な社会的問題が影響しています。
(注1)内閣府 平成25年度『少子化社会対策白書 (旧少子化社会白書)について』による、2011年度データ
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2013/25pdfhonpen/25honpen.html
いつか子供を持ちたいと願う、すべての人へ
最後に、35歳で妊活に取り組み始めたある女性のご意見を紹介しましょう。
「31歳で結婚して4年目。35歳になって、やっと本格的に妊活に取り組み始めました。親や姉妹からはずっと、早く子供をつくれと言われていましたが、私自身も仕事でやっとやりたいことができるようになったところだったし、主人も毎晩残業で帰りが遅く、正直それどころじゃなくて。近くに頼れる親もいないし、保育園に入れるの?という心配もありました。
今からでは時間がかかるかもしれないし不安もありますが、私たち夫婦にとっては、まさに今がベストなタイミング。焦らず取り組んでいきたいと思っています。」
夫婦の生活に大きな変化をもたらす妊娠・出産。妊活する人が増加した背景には、今の日本が「いつでも安心して子供を産み、育てられる社会」にはなっていないという現実があるような気がします。これから妊活しようと考えている人も、いつか子供を持ちたいと思っている人も今一度、その現実について考えてみてくださいね。
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