結婚・結婚準備
石鍋 裕シェフに聞きました!婚礼料理10の質問vol.01
2009/02/09 Mon
ウエディングのおもてなしの主役はやっぱり"料理"。最近では、「出身地の食材を使いたい」「とにかく美味しい料理をふるまいたい」などメニューにこだわるカップルも急増しています。けれども、実際のところどう選んでいいのかわからない人も多いのでは?
そこで、婚礼料理でも人気の一流シェフに質問をぶつけてみました!
今月は、クイーン・アリスの石鍋シェフがゲストへの最高のおもてなしを伝授してくれます。
石鍋 裕(いしなべ・ゆたか)さん
1948年、神奈川県生まれ。1971年、渡仏。「マキシム」を始め、有名レストランなどの仕事を手がけた後、1982年東京・西麻布に「クイーン・アリス」を開店。
現在はフレンチのほかに、イタリアン、和食、ベトナム料理、パティスリーなど様々なジャンルで店舗を展開。2006年は、西麻布の店舗を新しいコンセプトの空間へとリニューアル予定。
DATAクイーン・アリス
URL http://www.queen-alice.com/
Q1:ゲストもふたりも満足するメニューを叶えるため、試食の際にはどこに注意すればいい?
A: まず、ふたりが満足できるものであれば、お客様にもきっと喜んでいただけるということを忘れないでいてください。
もしも、試食会でプランナーやシェフと相談できる機会があるなら、ぜひゲストの顔ぶれやコースのテーマなどを伝えてください。メニューのアレンジポイントを教えてくれるはずです。
Q2:今までにどんなこだわりorワガママを叶えたことがありますか?
A: レストランではなく、自宅でこだわりの披露宴をされたいというご希望があり、婚礼料理をケータリングしたことがあります。
また、私がプロデュースしている葉山の「アリス・ヴィラ・リゾート」で、一棟を独占しての大人数ウエディングパーティが催されたときは、「ケーキカットをする瞬間に大きな花火をあげたい!」との希望に応えて、本当に打ちあげ花火を手配しました。ゲストも大喜びでしたよ!
Q3:せっかくのウエディングパーティですから、ゲストの心に残るようなふたりらしいオリジナル料理でおもてなししたいと思います。シェフならどのような提案をしてくれますか?
A: やはり、おふたりにゆかりある場所の食材を使ったり、お互いの故郷の特産物を取り入れたりするのがオススメです。以前、仏師(仏像を作る工匠)をされている方の結婚式で"蓮"にちなんだメニューをお出ししたこともあります。
当日、司会者の方からもゲストに紹介してもらえば、それだけで会話もグンと弾むはずです。
Q4:挙式と披露宴の間にウエルカムパーティを取り入れたいと考えています。どんな料理やドリンクでお迎えしたらいいでしょうか?
A: 会場にテラスなどがあれば、披露宴会場に入る前にシャンパンやアペリティフを楽しみながら、軽いアミューズ(前菜の前にでる小さなひと皿)をつまんで、ワイワイするのもアットホームで素敵ですよ。
「アリス・ヴィラ・リゾート」では、テラスから夕日が綺麗に見えますから、その時間に合わせたアペリティフも用意しています。
Q5:メイン料理はゲストがアッと驚くようなものにしたい! シェフならどんなスペシャル食材を使ったり、演出を組み合わせたりしますか?
A: コースのメイン料理はやはりお肉の場合が多いですよね。シーズンによってはカモや鹿などジビエ(狩猟による鳥獣肉)を使用したメインも出来ますが、ゲストの好みもありますから、例えば近くに漁港や農場があるようなら、地元で取れたばかりのお肉やお魚を使うのも一案です。
"その日まで何が出てくるかわからない"というサプライズ演出となり、面白いですよ。
Q6:シェフならではの年配のゲストにも優しい婚礼メニューを提案してください。
A: その地で、取れたばかりの新鮮な食材や旬の食材を使い、油をなるべく使わずに身体に優しい料理を心がけています。今は若い人も健康には気をつけていらっしゃる方が多いですから、そのようなリクエストをされるカップルも多いですよ。
Q7:シェフならではの子供ゲスト向けの婚礼メニューを提案してください。
A: 通常の披露宴は2~3時間かかるため、お子様は途中で飽きてしまいますよね。ですから、いろんなものを少しずつ食べられるように量や盛り付けを工夫します。食べることだけでなく、席で遊べるような小さいおもちゃを付けてみたり......。
また、年齢にもよりますが、大人と同じものが食べたいお子様もいらっしゃいますから、そのあたりは、年齢やご希望をお聞きしてなるべくご要望にお答えできるよう心がけています。
Q8:ゲストと会話の弾むデザートタイムを作るにはどんな演出がおすすめですか?
A: デザートビュッフェが一番でしょう! 会場にガーデンやテラスがあれば、陽光に包まれながら心地よいひとときが演出できるでしょう。もちろん広い場所がなくても会場の一角やホワイエを利用してもGOOD。
ふたりもゲスト同士もみんな自由に交流ができるのが魅力です。
Q9:アットホームなパーティにしたいのですが、全員参加型の料理演出ってありますか?
A: 特に奇をてらうような演出をしなくてもアットホーム感を出すアイデアはありますよ。
ゲストから離れた一段高い場所に高砂席を置くような、堅苦しいテーブルの配置ではなく、新郎新婦がゲストと同じテーブルを囲んでみるだけで、ふたりの自宅へ招いたようなプライベート感たっぷりの雰囲気になります。
Q10:ズバリ、シェフにとっての婚礼料理とは?
A: 「一生に一度の披露宴をよい思い出として演出するもののひとつ」です。料理に限らず、婚礼において何よりも大切なのが"おもてなしの心"。
私も新郎新婦とともに、ゲストへの細やかな気配りを第一に考えて、素晴らしい披露宴作りのお手伝いができればと思っています。
▼婚礼料理10の質問バックナンバー
Vol.01:クイーンアリス 石鍋 裕シェフ
Vol.02:プティポワン 北岡 尚信シェフ
Vol.03:ホテル東京 総料理長 濱田 貞夫さん
Vol.04:Le BENKEI 尾川 欣司シェフ
Vol.05:ラ・レゼルヴ 池田 正信シェフ
Vol.06:天王寺都ホテル 加藤 宗之シェフ
Vol.07:リストランテ エノテカ リヴァ デリ エトゥルスキ ヴィットリオ・コッキシェフ、ピエトロ・アンドロゾーニシェフ
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