出産・育児

出産スタイル、どんなものがある?

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出産スタイル

どんなスタイルで産みたい?

妊娠する前から出産や子育てについて具体的なイメージや「こうしたい」という希望をしっかり持っている女性というのはごく少数派なのではないかと思います。
中でも分娩のスタイルについては言葉だけは知っていたとしても、具体的にどういうものなのかはあまり分からないという人が多いのではないでしょうか。近頃は分娩のスタイルも進化し、妊婦さんの希望を積極的に取り入れる「バースプラン」も普及しています。
ここでは出産スタイルってどんなものがあるの?という疑問にお答えします。

もっともポピュラー?自然分娩

まず最初に紹介するのは「自然分娩」です。大辞林(※)によると「吸引や人工破膜など人工介助をせずに、陣痛や腹圧など自然の娩出力によって胎児を生み出すこと」とあります。言葉にすると何やら難しい感じがしますが、いわゆる「出産」で最初にイメージするのはこの「自然分娩」ではないでしょうか。「普通分娩」「経膣分娩」とも呼ばれます。
「自然」という言葉の範囲を定義するのは難しく、陣痛促進剤や吸引などを行っても「自然分娩」とする医療機関もあれば、助産院での出産のように医療行為を伴わない場合を「自然分娩」とする考え方もあるのですが、「帝王切開のようにお腹を開くのではなく、産道を通って膣から赤ちゃんを出産する方法」という解釈が一般的なようです。
※三省堂 「大辞林 第三版」(2006年)より

進化する分娩スタイル

この数年で耳にする機会が増えた分娩スタイルといえば「無痛分娩」ではないでしょうか。「出産は猛烈な痛みを伴うもの」というイメージから「無痛分娩がいいな」と漠然と思っている人も多いかもしれませんね。
無痛分娩とは麻酔薬を使って陣痛の痛みを軽減して出産する方法で、欧米諸国では一般的なスタイルですが、日本での浸透度はまだまだこれからという感じです。また、ポイントは痛みを「軽減」するものであって、全く痛くない、というわけではありません。「和痛(痛みを和らげる)」と称する産院もあります。無痛分娩についてはどこの病院でも受け入れているわけではなく、また対応できる件数にも限りがあるため、無痛分娩を希望するのであれば、妊娠が発覚したら早めに産院を探す必要があります。近頃では無痛分娩専門の病院もあるようで、これから徐々に割合が増えていくのではないかと予想されます。
この他、まだ実施している病院はまだまだ多くありませんが、「水中出産」なども新しい出産スタイルとして注目されています。また、分娩台に上がるのではなく畳の部屋で出産したり、しゃがんだり四つんばいになるなど分娩の姿勢を自分で決定できる「フリースタイル出産」も話題になっています。

出産スタイルよりも大事なこと

厚生労働省の発表によると2013年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に生むとされる子どもの人数)は1.43人。人生において出産の回数は1回、多くでも2回、という女性が大半です。だからこそそのスタイルを自分で選びたい、自分の納得いくお産がしたい!と望むのは当然のことかもしれません。
しかし、自然分娩で産みたいと考えていてもお腹の赤ちゃんが逆子で帝王切開に、ということもよくある話ですし、助産院でフリースタイル出産するぞ!と計画していても、急遽医療行為を必要とする状態になり、病院に搬送されるということもあります。
バースプランを思い描くことも大事ですが、最優先されるべきなのは母体と赤ちゃんの健康。
万が一の事態が起こったときには、自分の理想が必ずしも実現できるわけではないということを理解してもらえればと思います。そのためには希望にこだわりすぎない、それ以外の選択肢も常に視野に入れておく、くらいの気持ちでいたいですね。

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